Upcoming Exhibition
名越啓介写真展「DUNE」
2025年2⽉11⽇(⽕)〜2⽉22⽇(⼟) 11:00AM〜6:00PM 最終⽇は4PMまで
2023年2⽉から約1か⽉にわたり、アルジェリアのオアシスであるジャネットをスタート地点としたサハラ砂漠にて撮影を⾏いました。
トゥアレグ族と共に砂漠を彷徨い、⽣活をしながら撮影した写真群を約20点と、研究機関と⼀緒に制作した温度で写真が浮かび上がる特別仕様の作品1点を展⽰いたします。- 名越啓介 –
トゥアレグ族の⽂化と現実
トゥアレグ族はサハラ砂漠に住む遊牧⺠として知られ、Hermèsにも採⽤されたシルバーアクセサリーや、グラミー賞を受賞した砂漠のブルースバンド「TINARIWEN」を通じて⽿にしたことがある⽅も多いと思います。しかしながら、トゥアレグ族の伝統や現状について深く知る⼈は少ないのが現状です。
フランスによる植⺠地時代に引かれた国境線は、トゥアレグ族の故郷を分断しました。そして 2014年以降、彼らの⼀部は領⼟奪還のために戦⼠となり、現在も紛争が続いています。特にマリでは戦闘が激化し、ロシアのワグネル部隊によるドローン攻撃などで多くのトゥアレグ族の命が落とされている現実があります。
トゥアレグ族から⼀通の写真付きメールが届く
2024年8⽉、旅を終えた名越のもとにトゥアレグ族から⼀通の写真付きメールが届きました。時が⽌まったかのような美しい砂漠の⾵景の中、ラクダと共にゴザを引いて焚き⽕を囲む遊牧⺠の⽇常でした。ただ⼀つ違うのは、うつ伏せになっている彼等とラクダの脇に流れる⼤量の⾎です。ドローン攻撃を受けたという内容のメールでした。
電気も電波も無い場所で⽇本⽂化の幽⽞さを感じ取る
トゥアレグ族の故郷を舞台に、⼀⼈の⽇本⼈が写真家として何を感じ何にシャッターを切ったのか。
サハラ砂漠という電気も電波も無い紀元前から残る壮⼤な美しい⾵景は、⾃らの視座を失わせ、⽿を聞こえなくさせ、⾃分の来た道も、どこに⽴っているのかもわからず、平衡感覚が失われていく。この死者の⽬線とも思わざる終えない場所は間違いなく彼らの故郷でした。
そして彼らが⾝につける装飾品には、繊細でありながらも鋭い彫⾦技術が施されていて、そこから静けさの中に宿る「故郷を守ることを諦めない」という強い精神を感じ取りました。
繊細な⽇本⼈がもつサムライスピリットや幽⽞な美的感覚がこの⼟地にはあると、⽇本⼈の写真家として感じずにはいられませんでした。
本展では、⽇本⼈の美的感覚に影響を与え続ける理念の⼀つである「幽⽞」とトゥアレグ族の⽣き⽅や砂漠の⾵景の共通項に焦点を当てた展⽰となっています。
本展では、SUICOKEとコラボレーションをした写真集も販売します。
砂漠の美しい風景や一緒に旅をしたトゥアレグ族の生活の様子、結婚式や紀元前から行われている祝いといった貴重な写真も収録されています。
写真集「TUAREG」
部数:限定500部
⾦額:3,500円+税装丁:ハードカバー
サイズ:B4変形(235mm×303mm)
ページ数:80ページ
発売元:株式会社ORGY
名越啓介サイン⼊り
●名越啓介/Keisuke Nagoshi
1977年奈良県⽣まれ。⼤阪芸術⼤学卒。19才で単⾝渡⽶し、スクワッターと共同⽣活をしながら撮影。
その後アジア各国を巡り、2006年に写真集『EXCUSE ME』を発表。世界の辺境の地域やマイノリティーなコミュニティーに⼊り込んで、寝⾷を共にしながら撮影をするスタイルを続ける。
写真集『SMOKEY MOUNTAIN』、『CHICANO』、『BLUE FIRE』、はじめて国内を題材にした『Familia保⾒団地』では『写真の会』賞受賞。2023年公開映画「ファミリア」(成島出監督・役所広司主演)の原作の⼀部となった。2019年8⽉『バガボンド インド・クンブメーラ 聖者の疾⾛』、2021年には『ALL.』をリリース、最新写真集では主に⾃⾝の祖先の⼟地を撮影した『よあけ』(2023年)を発売。
本展に関するお問い合わせ
担当:名越啓介写真事務所
担当者宛:keisukenagoshi.info@gmail.com