Past Exhibition
Mers roses, Salins de Camargue photographies Hiro TOBE
2009年2月16日(月)〜2月21日(土) 11:00〜18:00 日休
ピンクの海~南仏カマルグの塩田 地中海に面した南仏の湿地帯、カマルグ(Camargue)にその塩田はあります。 海水を浅い池(田)に引き込み、水分を蒸発させ、塩分を結晶化して、塩を生産しています。題名になっているピンクの海とは、この塩田にある海水の池のことを指します。塩分の濃度によってさまざまなピンクの色をしています。このピンクの色は作り物ではなく、塩水中のバクテリアの色です。このバクテリアは塩分を好み、塩の濃度が一定以上になると発生します。塩分がまだそれほど濃くない時は、バクテリアを食べる海老が増えるので、色はあまり濃くはなりません。そして、塩分が一定以上になると海老も生きられなくなり、バクテリアのみが増え、水のピンク色が濃くなっていきます。この塩田はフラミンゴの保護区でもあるのですが、フラミンゴの色はこのバクテリアから来ています。と、いうのも、バクテリアを食べる海老がフラミンゴの餌になるからです。最初にこのピンクを見たときは、ここは生命のいない世界、文字通り死海だと思ったのですが、じつは生物の色だったわけです。 塩田を訪れたのは2008年の5月でした。 その日は、南仏であるにもかかわらず曇りでした。ブルーグレーの空とピンクの水面がひたすら延々と続く単調な景色でした。微妙な色の変化を味わっていただければ幸いです。 Hiro TOBE