ロナルド・クライン（1925−2006）は、ニューヨークのさまざまな出版社の本の表紙を担当するフリーのグラフィック・デザイナーでした。 彼は、1951年から1981年にかけて、表紙デザインの仕事と並行して、フォークウェイズ・レコードのLPレコードのジャケット・デザインも担当しました。
フォークウェイズ・レコードは、アメリカからニューギニアにいたるまで、人間の文化を作り上げている世界中の音や音楽を記録し、後世に残すという壮大な展望をもったモージス・アッシュ（1905-1986）によって、1948年にニューヨークで設立されたレーベルです。この独自の道を歩むユニークなレコード会社が、30年間に発売した2,000枚のレコードのうち、500枚がクラインの手によるものです。フォークウェイズ・レコードのジャケットは、アーウィン・ローゼンハウス、デヴィッド・ストーン・マーティン、クレイグ・ミアロップをはじめ、多くのグラフィック・デザイナーが担当していましたが、そのトレードマーク的なデザインとスタイルを代表するようになったのは、クラインの手がけたジャケットでした。

本展は、オーストラリア、メルボルンのギャラリー、ザ・ナロウズの「ロナルド・クラインコレクション」の巡回展の一環です。これまでに、オーストラリア、ニュージーランドを巡回し、日本での展示は今回が初めてとなります。会場には、ロナルド・クラインがデザインした約100点のレコード・ジャケットが展示されます。
クラインがフォークウェイズ・レコードの仕事を通して、アメリカにおけるモダニズムのグラフィック・デザイン、ならびに文化史に果たした役割の大きさについてご紹介します。

また会期中、The Narrowsディレクター、ウォレン・テイラー氏によるトークイベントも予定しております。


 
主催：The Narrows(メルボルン、オーストラリア)、ギャラリー 5610

監修：ジョン・ニクソン、ステファン・ブラム、ウォレン・テイラー

協賛：アイデア（誠文堂新光社）、スミソニアン・フォークウェイズ・レコーディングス

ギャラリートーク：2011年1月19日（水）19：00ー20：00（定員40名・要予約・有料￥1,000・通訳有）
出演/ウォレン・テイラー　
会場/ギャラリー5610


 
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