Exhibition On View

タピスリー「SHRINE」のデザイン画
Window展 「河野鷹思のタピスリー」
2025年8月15日(火)〜8月29日(金) 土日祝休 11:00AM〜6:00PM ギャラリー5610のウィンドウにて
夏の期間、1971年に龍村美術織物によって製作された河野鷹思のタペストリーをギャラリー5610のウィンドウとSPaTioで展示しています。1970年の大阪万博日本館の資料もSPaTioでご覧いただいています。
<河野鷹思「龍村美術織物と私」より>
龍村さんと私との交遊は二代目平藏さんの時代、一九二九年にさかのぼります。お互いに平藏さんが東大、私が東京美術学校の卒業期であったことが記憶しますが、そのご縁が三代平藏さんにバトンタッチされて今日につづいているわけです。それ以降、一九七〇年の大阪万博の大タピスリーをデザインする頃から、すっかりご厄介をかけて来たのです。
平面的な絵画や文様を原画そっくりに織り上げることではなく「糸」という生きものを素材として造型することが新しいタピスリーの仕事だと考えてきました。そして万博で取り組んだ仕事「悲しみの塔」を契機に私はヨーロッパで多くの新しい作品に接してきましたが、その中でもアンジェのリュルサ<JEAN LURÇAT>作<LE CHANT DU MONDE>の印象は強烈でした。またスイスのローザンヌやブベー或はフランスのボーベーなど新しいタピスリーの足跡を追う興味は尽きません。それにしても明日の建築空間の中で、特に日本の土壌の中で、新しく呼吸するタピスリーに多くの夢を託してやみません。