Upcoming Exhibition
海老澤研油彩画展 Multi-Layer Language『多層式言語』〜 思考の技法 第2章〜
2025年1月15日(水)〜1月20日(月) 11:00 AM〜6:00PM 初日4PMから
多層的言語 Multi-Layer Language
年齢のせいか、平日午後のテレビで再放映される刑事もののドラマに妙にはまっている。
とくに「相棒」がお気に入りで、右京さんがシャーロック・ホームズばりに事件の謎を解いていく過程が実に面白い。凡人が見逃してしまう些細なことを手がかりに、まるで表層から一枚一枚薄皮をはがすような作業にわくわくするのだ。
我々は世界の背後にそれを成立させている構造が存在することは知っているものの、その結果である表層ばかり見て納得する傾向がある。既知の原因をすぐに当てはめ安心し、固有の原因があることを見逃してしまう。
謎を発見し真相を解明するにはシャーロック・ホームズや、右京さんのようなの才能が必要なのだ。
多層(マルチ・レイヤー)というアイデアは、自分の描画のやり方が、単色を重ねていくことから発想したのだが、逆にいえばそのようにして出来た作品は、多層的に出来上がっていることになる。
一方、絵具を塗り重ねるという作業は、画家がみずからの意識を一枚一枚はがしていく過程であり、作品とは多層的な意識の痕跡と見ることもできる。
意識は現代科学が最後に解明しようとしている大きな謎なのだが、僕が常日頃から最大の興味を持ってきたテーマだ。その謎解きが絵を描くということで実践できるのであれば、この上ない楽しみを得たことになる。 海老澤研
●海老澤 研(えびさわけん)
1952年東京渋谷に生まれる。慶応大学東洋史科を卒業後、南北アメリカを放浪。
1982年からブラジル、リオ・デ・ジャネイロに居住し、パルケ・ラージ・アートスクールにて絵画を学ぶ。87年ペトロ・ブラス・ギャラリーで初の個展。
2002年に帰国後、2007年に油彩画個展「リオの肖像」、2015年写真展「ジェンチ」、2023年にGallary 5610にて油彩画個展「約束の園」、2024年2月に神楽坂白日居にて油彩画個展「こころの園探訪」、9月に銀座Art Houseにて「色彩はみずからのことばを紡ぐ」などを開催。
現在は日本、ブラジル、オーストラリアで制作活動を続けている。
<イベント>
1月15日(水)17~19時 オープニングパーティー
1月19日(土)15時~ トーク・ショー 柳田庸子氏をお迎えして 「日常にひそむアート思考」
1月20日(日)15時~ ブラジル音楽ライブ 諸星公子(vo) 井村達也(gui) 原口ペー(perc)
1月21日(月)18時~ トーク・ショー 松永暢史氏をお迎えして「抽象表現とは何か-抽象絵画を見る者と描く者」
柳田庸子(やなぎたようこ)
大手食品メーカーにてマーケティングの経験を積み、2011年に独立。ブランディングなどの戦略マーケティングを得意とし、企業コンサルタントを行う。近年は、企業の課題解決にアート思考が有用であると考え、ビジネスに実装するサービスに取り組んでいる。東大大学院非常勤講師。
松永暢史(まつながのぶふみ)
1957年東京生まれ。慶大文学部哲学科卒。文章家。教育環境設定コンサルタント。教育アドバイザー。日本語古典音読指導者。日本語音読道場理事。教育作家として、著書に『男の子を伸ばす母親はここが違う!』、『カタカムナ音読法』など多数。マーラーと抽象絵画を愛す。
諸星公子(ヴォーカル)
城大在学中に舞台芸術学園でシャンソンを学ぶ。卒業後、雑誌編集者となり、ブラジル音楽に出会う。浅草サンバカーニヴァルに参加し、ブラジルには3度滞在。現地ミュージシャンと親交を持ち、リオのカーニヴァルも体験する。現在、都内を中心にライブ活動中。
原口ぺー(パーカッション、ドラム)
ブラジルのパーカッション、パンデイロをメインにコンガやジャンベ等様々な楽器を演奏する。ブラジル滞在中に学んだサンバやボサノヴァを中心に、ポップスやJAZZまで、様々なアーティストのライブやレコーディングに参加。
井村達也(ギター)
幼少期より様々な楽器に親しむ。布川俊樹氏にジャズギターを師事し、Jazztronik、I-DEP、Sotte Bosseのギターを担当。近年はTVドラマのタイトル曲やアレンジなども手がけ活動の場を広げている。